天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)を訪ねて

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京都市宮津市の府中駅から傘松駅まで、丹後海陸交通が運営する天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)があります。 このケーブルは日本三景の一つ、天橋立を展望する「股のぞき」で有名な「傘松公園」や西国28番の札所、成相寺へのアクセスのための路線です。
天橋立鋼索鉄道は、昭和2(1927)年8月13日に成相電気鉄道(同年12月22日天橋立鋼索鉄道と改称)の手により開業しましたが、その後昭和19(1944)年2月11日に不要不急路線としていったん廃止され(くしくもこの日は愛宕山鉄道鋼索線の廃止日と同じです)、昭和26(1951)年8月12日に丹後海陸交通の手により復活したものです。復活に当たり、丹後海陸交通は愛宕山鉄道よりレール、車両の床下機器などを購入しました。現在でも、レールは愛宕山鉄道から購入したものを使用しており、愛宕山鉄道鋼索線の乗り心地を体感することができます。

府中駅 天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)府中駅です。ここから傘松駅まではケーブルとリフトで結んでいます。府中駅前には土産物屋が立ち並び観光客でにぎわっています。
府中駅構内 府中駅の構内です。ケーブルは15分間隔で運行され、運賃は片道320円です。
府中駅運転台 府中駅のホームには昭和34(1959)年から平成6(1994)年まで使用されていた運転台が展示されています。
天橋立鋼索鉄道車両 天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)の車両です。現在の車体は昭和50(1975)年製で、車体は丹後海陸交通と同じ阪急東宝グループのアルナ工機製、駆動装置は日立製作所製です。昭和26(1951)年の復活時に用意された車両は日立製作所製で、駆動装置は愛宕山鉄道のものを流用していました。現在の車両も駆動装置は先代の車両のものを流用していることから、一部の部品は愛宕山鉄道時代のものを現在でも使用している可能性があります。
リフト ケーブルに平行してリフトも運行されています。
レール 天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)ではギーセライベルン式に対応した特殊なレールが現在でも使用されています。戦前はテオドルベル式という現在日本のほとんどのケーブルカーで使用されている規格でしたが、愛宕山鉄道ではギーセライベルン式という日本では少数派の駆動方式が使われていたため、戦後の復活時にギーセライベルン式に変更したということです。
傘松駅に至る線路 ケーブルカーの車内から見た傘松駅です。
天橋立鋼索鉄道全景 傘松駅から見た天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)の全景です。
傘松駅構内 傘松駅の構内です。
傘松駅 傘松駅です。2階はレストランと土産物屋があります。駅の周りは「股のぞき」で有名な傘松公園となっています。
天橋立 傘松公園から見た天橋立です。
バス 傘松駅前からは西国28番の札所、成相寺への登山バスが丹後海陸交通によって運行されています。
成相山山頂 成相寺境内にある成相山山頂からの眺めです。ここからはなんと愛宕山が見えます。かつて愛宕山で使われていた鋼索線の施設が、愛宕山が見えることろで現在も活躍していることになにか因縁めいたものを感じずにはいられません。

天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)主要データ

区間 府中−傘松 
営業距離 391.4m
高低差 115m
最急勾配 461パーミル
最緩勾配 78パーミル
軌間 1.067m
運転速度 時速7.2km
所要時間 4分
 

天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル)車両 主要データ

両数 2両
最大乗車人員 76人
寸法 (長さ) 7,950mm
(幅) 2,430mm
(高さ) 3,480mm
自重 5.55t
車体傾斜 14度
製作メーカー 日立製作所
車体更新日 昭和50(1975)年12月
車体製作メーカー アルナ工機

天橋立鋼索鉄道(傘松ケーブル) 沿革

年月日  
昭和 2年 6月18日 成相電気鉄道が府中−傘松間を開業
昭和 2年12月22日 成相電気鉄道が天橋立鋼索鉄道に社名を変更
昭和19年 2月11日 不要不急路線として廃止
昭和26年 8月12日 丹後海陸交通により府中−傘松間が再開業

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